やりたかったこと
研究者になりたかったわけじゃないけれど,
手を出して少しだけおもしろいなって思った研究を形にしたかったってのがある.
機械の勉強をしてて一番面白いなって思ったのは材料についてだ.
でも材料力学ってのは意外と馬鹿にされてるのだ.
なんでかしらないけど,機械屋さんは研究分野にヒエラルキーを持ってる.
(そりゃどこの分野でもそういうのあると思うけど)
材料力学は簡単だっていうイメージがなんでかあるから馬鹿にされてるんだろうな.
まあどうでも良いけど.
機械工学という学問は一言で言うと「歯車を効率よく回すための学問」だと思う.
その一言を達成するためにはけっこういろいろ考えないといけない.
まず考えるのは効率ってなんだろうなって話だとおもう.
一つの考え方は「歯車を回すために投入したエネルギーと,回収したエネルギーの比率が小さいこと」だろう.
もうひとつは「より少ない金額の投資で,より多くの歯車を精度よく回転させること」っていう考え方もできると思う.
ひとつ目は性能の問題で,ふたつ目はコストの問題だ.
その2つの問題はトレードオフになることが多い.難しいね.
というわけで歯車をどうやって回すかってことを考えてみる.
まず回すためのエネルギーをどっかから持ってこないといけない.
エネルギーってのはつまりは化石燃料のことだ.
他にも色々あるけど,石油を燃やした時に得られる熱エネルギーってのが人類が容易に大漁に扱えるほぼ唯一のエネルギー源だと思う.
っていうことで燃焼工学や熱力学の勉強をしなくちゃいけないってことだ.
熱エネルギーが得られるとそのエネルギーをどうやって運動エネルギーに変換するかということを考えないといけない.
この問にはいくつか回答があるけど,一つは燃焼によって空気が膨張することを利用したエンジンで,もうひとつは熱でお湯を沸かして水蒸気を作り出しタービンを回すってことだろう.
なので伝熱や流体力学も機械工学の範疇に含まれる.
回りだしたタービンから運動エネルギーをどうやって伝達させるかっていうのを考えるのが機械力学だ.
まあ機械力学で扱うのはだいたい振動の話なんだけどね.
他にも色々考えないといけないことはたくさんあるんだけど,ここまでの駆け足の解説の中に力学が3つ出てきたと思う.
熱と流体と(機械)力学だ.
これに材料力学を足して4力学と言われている.
それら4つが機械工学を支えているらしい.
それはいいとして,なんで材料力学がかっこ悪いかって言うと(?)材料のことなんて機械がうまく動くためにはどうでも良いことだからだ.
機械要素はすべて材料から作られるけど,材料には適当な特性しか求められない.
すなわち「壊れないこと」.
要するに深く考えなくても性能の良い機械ってのはできるってことだ.
でも材料の知識ってのは本当に重要なはずなのだ.
なぜかというと材料がダメだったら機械は人を殺してしまうからだ.
最近だとヘリコプターが空から落ちてきたり,新幹線が破断寸前になったりそういう事態が起きる.
なにか悪いことが起きる時の悪者はだいたい材料だ.
壊れない材料ってのがあれば良いのだけどそんなものはない.
なのでちゃんと考えないといけない.
材料屋さんは常に破壊のことを考えている.
でも普通の機械の生涯のうちに”破壊”に至るのはごく稀な現象なのだ.
その万が一の想定をずっとしなければならないはずなのに,みんな忘れてるのだと思う.
普段は必要ないかもしれないけれど,やっぱり材料がすべてを支えているのだから,その材料がどうやって壊れるのかを知るってのは大事なことだと思うのだ.
なんか長々書いてしまった.
その材料の破壊について研究がやりたかったのだけど,結局志半ばで自分は諦めてしまった.
まぁしょうがないか.
そのことについて書きたかったけど,今日はここまで.
今日の記事は色々間違ってることとか多いからここまで読んじゃったって人は全部忘れてください.